同じ時刻なのに形の違うチャート
ビットコインとアルトコインのチャートを同じ足の長さで並べると、方向は似ているのに形が違うことがよくあります。アルトコインの足のほうが長く、上下のヒゲが荒く、取引がほとんどなく実体のつぶれた足が混ざっています。これはアルトコインが特別に違う規則に従っているからではなく、価格ができあがる条件が違うからです。価格は注文どうしが出会って決まりますが、その注文の量と置かれ方はコインごとに大きく異なります。この記事では、その違いを取引の量、板の厚さ、揺れを大きくするほかの事情に分けて見ていきます。
流動性:どれだけ取引が集まるか
ビットコインは世界中の多くの取引所で、多くの参加者が休みなく取引しています。一方、かなりの数のアルトコインは取引する人も金額もずっと少なくなります。参加が少ないと、一人の注文が取引全体に占める割合が大きくなり、そのぶん一回の注文で価格が動きやすくなります。取引が途切れる時間も多く、数分間約定がなかったあとに一気に価格が飛ぶ足ができることもあります。同じコインでも、深夜や週末のように参加者が減る時間には、こうした様子がよりはっきりします。
板の厚さ:価格を押し出すのに必要なお金
成行注文は、板に置かれた反対側の注文を近い価格から順に埋めながら約定します。現在値の近くに注文が厚く積まれていれば大きな注文も数段で終わりますが、薄ければ同じ金額が何段も通り過ぎ、ずっと遠い価格まで押し進みます。アルトコインのチャートに長いヒゲがよくできる理由の一つがこれです。一度に価格が遠くまで押されたあと、注文が埋め戻されて戻ってくると、足には長いヒゲだけが残ります。また、板に見える大きな注文はいつでも取り消せるので、画面上の厚さがそのまま支えになると信じるのは難しいところです。
揺れを大きくするほかの事情
出来高や板のほかにも、アルトコインの揺れを大きくする事情がいくつかあります。どれもコインによって程度が違うので、気になるコインがどれに当てはまるかは個別に確かめる必要があります。
- 流通量:実際に市場に出回っている数量が少ない、またはロックされていた数量が放出される予定がある
- 材料への敏感さ:上場・提携・アップデートなど個別の材料一つが価格に大きく反映される
- 上場取引所の数:数か所でしか取引されなければ、一つの取引所の事情が価格を左右する
- デリバティブ取引:先物が現物より活発だと、強制清算が連鎖して動きを大きくする
- ウォン建て市場だけの価格:入出金が止まると国内価格が海外と別に動く
ビットコインが大きく動いたときアルトコインに見えること
ビットコインが急に大きく動くと、多くのアルトコインが同じ足で同じ方向に、しかもより大きな幅で動く様子がよく見られます。市場全体が不安になると、注文を置いていた参加者がそれを引き上げるため、もともと薄かったアルトコインの板が先に空きやすく、そこへ成行注文が入ると価格はさらに遠くまで押されます。反対に、あるアルトコインだけに関わる材料で生じた動きは、ビットコインのチャートには何の跡も残しません。ただし、これは構造から生まれる傾向を説明したもので、毎回そうなるという規則ではありません。
チャートを読むときに変わること
同じ指標を同じ設定で使っても、揺れの大きいコインでは結果の性格が変わります。価格がボリンジャーバンドの外に出たり、RSI が70や30といった慣例的な基準線に届いたりすることが多いので、ビットコインと同じ重みで読むと過剰に反応してしまいます。長いヒゲ一本を意味のあるパターンと読む前に、その足に実際に出来高が伴っていたかをまず確かめます。足の長さを伸ばせばノイズが減り、流れが少しはっきりします。注文の面では、成行で約定すると想定より不利な価格で埋まりやすく、損切りの幅も同じ比率では狭すぎることがある点を覚えておきましょう。
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コイン板オークション会場は、板の20段を1秒ごと、500段を10秒ごとに受け取り、買い・売りの残量と累積の板を階段状のデプスチャートで示し、選んだ深さが現在値からどれだけの価格範囲を覆うかも表示します。ビットコインとアルトコインを交互に選ぶと、同じ段数が覆う価格範囲がどれほど違うかを直接比べられます。コインマルチチャートでは、ビットコインと見たいアルトコインを同じ足の長さで並べ、足の長さやヒゲの形を同じ時刻どうしで照らし合わせられます。コイン星座マップは、どのコインがビットコインとあまり一緒に動かなかったかを相関係数で示します。
まとめと注意
アルトコインのチャートがビットコインと違って見えるのは、多くの場合、取引の量、板の厚さ、そして流通量・材料・上場取引所・デリバティブ取引といった事情から来ています。この違いを知っておけば、同じ指標でも過剰に読まずに済み、注文や損切りの幅をコインに合わせて考えられます。この記事は市場の構造を説明したもので、投資助言ではなく、どのコインがより上がる・下がるという予測でもありません。売買の判断はそれぞれの状況に応じて自分で下してください。
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